藤井佐知作品集 特装本

藤井佐知作品集 特装本について


藤井佐知作品集刊行会会員の皆様

藤井佐知作品集刊行委員会 代表 前野直史

 刊行会員の皆様のお力添えを受けまして藤井佐知作品集が完成したのが二〇一九年十二月ですからそれから早くも二年が経ちました。

 この本には刊行会員の皆様に一口/一冊づつお渡ししました刊行会本とその抜粋版としてより広く藤井佐知の存在や仕事を知っていただくための一般販売用の普及本に加えまして数冊の特装本を当初から計画しておりました。その目的はもちろんこの刊行計画において出来るだけのことを妥協なく取り組んだうつくしい本を残すということがひとつですが、同時にこの本をお求めいただくことでその制作資金及び作品集の完成をスタートとする藤井佐知の仕事の価値や意味をより広く問いかけるというような今後の活動資金の捻出することが目的でもありました。

 この特装本の計画は、刊行会本と普及本の完成後に細部を詰めて完成を目指すつもりでおりましたが、ちょうどそのタイミングで起こりました新型コロナウイルスの問題などもあり、打ち合わせや交渉の中断を余儀なくされ、その後も当初の想定以上の内容のものを望んだ結果はさまざまな困難も少なくなく、また各工程でも日数を要したりというような事情で思いがけないほどの遅れを生じてしまいました。

 特装本の計画細部につきましては、作品集刊行委員として本全体のデザインを担当していただいた髙橋克治さんと兵庫県民芸協会会員の製本家である木村雅也子さんと随時相談の上で刊行委員代表の前野が進めました。

 その仕様については様々な内容や可能性について検討しましたが、最終的にはその表紙布を生前の藤井佐知とも交流深く、また工芸家としての活動をともにされた古澤万千子先生、山本和子先生に制作を依頼し、またこの本の刊行計画の母体である兵庫県民芸協会ならではのものとして同協会会員である藤原晶子さんにご提供いただいた丹波布を用いた本も準備しました。それらはいずれも装幀、製本はすべて木村雅也子さんのお仕事で、紙函のデザイン及び制作や、見返しや題簽の紙や花布の選定、箔押しなどにもその経験と技を揮っていただきました。

 古澤先生の型染めを用いた本と山本先生による二種類の織りを用いた本にはすべて兵庫県民芸協会の木工家笹倉徹さんによる拭き漆の木箱を準備して、箱の蓋にはやはり同協会の小島紗和子さんの技で藤井佐知自筆の署名を螺鈿によって表していただきました。丹波布の五冊はすべて違う布を用いたもので、木村さんはそれぞれの色彩や柄に応じてその紙函も一冊づつかたちも仕上げも違うものを工夫して下さいました。

 特装本は内容及び本文等の用紙はすべて刊行会本に準じたものとなりましたが、古澤、山本両先生や兵庫県民芸協会所属の工芸家の智慧や技を充分に注いだ大変素晴らしいものになったことと関係者一同も感謝もし、また自負もしております。

 この特装本の完成を持ちまして藤井佐知作品集刊行委員会は解散し、作品集に関する全ての実務を兵庫県民芸協会へと移管しますことを合わせて報告させていただきます。

 この本の企画、制作、頒布などでお世話になった皆様、どうもありがとうございました。

販売について

 特装は、その計画を告知した当初から、先着順で購入希望者を募っており、順番にご案内致しております。合計で24冊製作されましたが、素材提供者や製作者向けに献呈したものや、すでにご購入いただいたものがあり、現在の在庫は以下の番号の通りになります。番号をクリックしていただきますと、詳細がご覧いただけます。

 特装本のご購入は、刊行会員限定となっております。一般の方で特装本ご購入をお考えの方は刊行会員追加募集へのご応募をご検討下さい。

 No. 11(山本本・茶)

 No. 12(山本・茶)

 No. 13(山本・茶)

 No. 15(山本本・格子)

 No. 17(山本・格子)

 No. 18(山本・格子)