ご挨拶
兵庫県淡路島で生まれ育ち、益子の濱田庄司の下で修行した後、故郷に戻って窯を開き、低火度釉によるみずみずしいスリップウェアの作品を生み出した藤井佐知。彼女の作品は関係者の間では非常に高い評価を得ています。しかし、寡作な作家であったためでしょうか、陶芸や民藝に関心を持つ一般の人にはあまり知られることのない存在でした。また今まで、その作品が作品集としてまとめられたこともありませんでした。
藤井佐知が長年所属していた兵庫県民芸協会では、彼女の類まれな仕事の全貌を見直し、その存在と価値を広く世間に知らしめ、また長く歴史に留めたいと、『藤井佐知作品集』の刊行を計画いたしました。
この事業は当協会員はじめ、藤井家の皆さま、作品所蔵者の皆さまなど多くの方々のご協力なしで実現することはできません。また、広く皆さまの協賛を仰がなければなりません。
この事業の意義をご理解いただき、何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。
2019年1月27日
兵庫県民芸協会会長 笹倉 徹